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リコーブラックラムズ東京の取組み 東京都世田谷区宇奈根1-5-1 リコー総合グラウンド内
誰もが楽しめるラグビー観戦環境の取り組み
リコーブラックラムズ東京 白崎雄吾さん
スタジアムMCの音声をリアルタイムで文字化
ジャパンラグビーリーグワンに所属しているリコーブラックラムズ東京は2024年4月6日(土)に駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で開催された NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 第12節 横浜キヤノンイーグルス戦にて、聴覚障がい者向けラグビー観戦サービスを初めて実施しました。スタジアムMCの音声をリアルタイムで文字化して、専用サイトを通じてタブレットやスマートフォンに表示することで「スタジアムの音声がわかれば状況がその場でわかる!」「みんなと同じタイミングで盛り上がる!」「選手の動きにそんな意図が!」「ノックオンが起こったのか!」「スクラムが始まるのか!」等の声をいただき聴覚障がい者の皆様にもラグビー観戦をより楽しんでいただきました。その他にもデフスポーツの体験・紹介コーナーの設置、スタジアム内での手話活用により、来場者の皆様に聴覚障がい者向けサービスやデフスポーツに触れていただくきっかけを作りました。
同様の取組を2024年5月5日、同12月8日、2025年1月4日開催のホストゲームでも実施しています。 「誰もが楽しめるラグビー観戦環境」への取り組みについて、リコーブラックラムズ東京クラブ・ビジョナリー・オフィサー白崎雄吾様にお話を伺いました。
リコーブラックラムズ東京 白崎雄吾さん
スタジアムMCの音声をリアルタイムで文字化
きっかけは世田谷区手話言語条例のPR動画の制作、公開から
リコーブラックラムズ東京ではホストエリア・世田谷区と協力して、2024年4月1日に施行された「世田谷区手話言語条例」のPR動画を作成しました。制作を通してチームとして手話に触れていく中で、聴覚障がいをお持ちのファンの方から「みんなと同じようにラグビー観戦を楽しみたい」というメッセージをいただきました。さらには母体である株式会社リコーの聴覚障がい者向けコミュニケーションサービス「Pekoe -ペコ-」に出会い、「誰もが楽しめるラグビー観戦環境」への想いが強くなりました。ブラックラムズ東京はチームバリューのひとつに、「Beyond 人種を、世代を、想像を超えていく」を掲げています。ホストエリア世田谷という地域と情報通信技術とスポーツが持つ力がスクラムを組み、進取性に富み想像を超えた新たな取り組みができると確信しました。
そこで、2024年4月6日の横浜キヤノンイーグルス戦では、「Pekoe -ペコ-」を活用した聴覚障がい者向けサービスを実施しました。このサービスを利用した聴覚障がいの皆様からは「反則や選手交代など、試合の全てがわかりました」「素晴らしい企画でした。全てのスポーツにこのような情報保障がつくようになればいいなと思いました」「応援の掛け声や臨場感も共有でき、とても楽しかったです、今後もこのような機会をぜひお願いします」などの喜びの声をいただきました。
デフスポーツ体験・紹介コーナーの設置や手話によるおもてなし
試合当日は手話によるおもてなし
スタートランプ体験
さらに、当日は聴覚障がい者向けラグビー観戦サービス実施に加えて、デフスポーツ体験・紹介コーナーを設置することにしました。2025年11月の「東京2025デフリンピック」では、ホストスタジアムとしている駒沢オリンピック公園総合運動場が、陸上・ハンドボール・バレーボールの会場になるためです。多様な社会やデフリンピックを知っていただくきっかけになればと考えました。
一般社団法人日本デフ陸上競技協会様のブースでは、スタートランプ体験を行っていただきました。スタートランプとは、デフリンピックなど聴覚障がいを持つアスリートのみが出場する陸上競技会で、スタート時の出発音の代わりに用いられる、発光してスタートを知らせる装置です。ブラックラムズ東京と横浜キヤノンイーグルスの選手も対決方式でスタートランプを体験し、耳が聞こえない中での競技の面白さを感じました。特定非営利活動法人日本聴覚障がい者ラグビーフットボール連盟様のデフラグビー体験ブースでは、独自のイヤホンシステムをつけて、外からの音がきこえない中でラグビーをする体験会を実施していただき、多くのファンの皆様にご参加いただきました。
さらに、手話の活用にも取り組みました。ボランティアのメンバーや、試合開催日に出店する20台近くのキッチンカーのスタッフに簡単な手話を覚えていただき、聴覚障がい者向けラグビー観戦サービスのおもてなしをすることにしました。これは元ラグビー日本代表のキャプテンを務めた廣瀬俊朗選手のソーシャル活動におけるアイデアでした。なお、リコーブラックラムズ東京ではRamgelist (ラムジェリスト)の名称のボランティア組織を運営しています。ブラックラムズの「ラム (Ram)」と、伝道者を意味する「エバンジェリスト (Evangelist)」を組み合わせた造語で、ブラックラムズの伝統と魅力をともに伝えていってほしい、という想いが込められています。
試合当日は手話によるおもてなし
スタートランプ体験
地域とともに活動するチームとして
リコーブラックラムズ東京と日本聴覚障がい者ラグビーフットボール連盟の皆さん
2016年10月から世田谷区内の小学校において、年少者・初心者向けでタックルなどの接触プレーを排除したタグラグビーの指導を行う「ゲストティーチャー」の活動を継続して行ってきました。世田谷区教育委員会が推進している「学校・家庭・地域が連携して子どもを育てる教育」に賛同する協力団体が社会貢献の一環として運動、音楽等の活動を通して子どもの成長に寄与する地域活動です。2024年12月には世田谷区の旭小学校、烏山北小学校、山野小学校、深沢小学校、計4校を訪問し、2025年1月末にはタグラグビーの指導を行った児童は累計で2万人を超える予定です。このゲストティーチャー活動を通じて、ホストエリアとする世田谷区を中心に、引き続きラグビー普及や青少年育成活動を行っていきます。
2024-25シーズンもホストゲーム会場にて聴覚障がい者向けサービスを実施することが決定しています。誰もが楽しめるラグビー観戦環境に取り組んで感じたことは、このサービスは聴覚障がいの方に限らず、ラグビー専門用語がわからない方にも、わかりやすい解説が文字情報により観戦を楽しむことができるということです。今後は、聴覚障がいの方に留まらず、視覚障がいの方等誰もがラグビー観戦を楽しめる環境を創っていきます。
(写真提供:リコーブラックラムズ東京)
リコーブラックラムズ東京と日本聴覚障がい者ラグビーフットボール連盟の皆さん
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