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株式会社コスモスホテルマネジメントの取組み 東京都港区芝5-34-6 新田町ビル

アパートメントホテルMIMARUが取り組むアクセシブル・ツーリズム

株式会社コスモスホテルマネジメント経営企画室 明石真実さん

株式会社コスモスホテルマネジメントは、東京・京都・大阪において、訪日家族旅行者向けのアパートメントホテル「MIMARU」を運営しています。
MIMARUは家族や仲間と「みんなで泊まる」ことをコンセプトに、キッチン・ダイニング付きの広い客室と、多国籍スタッフによるサポートを通じて我が家のようにくつろげる滞在空間を提供しています。全国27施設のうち、複数のホテルにはアクセシブルルームも設置されています。

同社では、車いす利用者の視点に立ち、必要とされる共用設備やおすすめの客室タイプについて、詳細な情報発信を行うなど、アクセシブル・ツーリズムに積極的に取り組んできました。
具体的には、客室入口ドアの構造や段差の有無、ドア幅、ベッド間隔、床からマットレスまでの高さ、浴槽の高さや深さといった情報を、数値や画像を用いて分かりやすくホームページ(外部サイト)に掲載しています。さらに、多機能トイレなどの館内共用設備を事前に確認できるほか、最寄駅からのユニバーサルデザインルートも紹介しており、ベビーカーや車いすを利用する方にとって有用な情報となっています。
こうした取り組みについて、経営企画室の明石真実さんにお話を伺いました。

株式会社コスモスホテルマネジメント経営企画室 明石真実さん

従業員のサステナビリティ意識から始まった取り組み

アパートメントホテル「MIMARU」

MIMARUにおけるアクセシブル・ツーリズムの取り組みは、従業員から寄せられたサステナビリティに関する質問をきっかけに始まりました。全社で議論を重ね同社ではサステナビリティの取り組みとして
「人と働き方の多様性」 一人ひとりの個性が輝く世界に
「ゲストと地域のつながり」 ゲストと地域を「楽しい旅」で結ぶ
「環境配慮」 持続可能な未来に向けて一緒に
という3つのテーマを設定しました。
その中で、2つ目のテーマの「楽しい旅」の前提には、「みんなで“安心して”泊まれる」こと、アクセシブル・ツーリズムが重要なテーマとして浮かび上がってきたのです。そこで、まずは受入環境の改善を進めていくことになりました。

具体的には、
① 海外の車いすユーザーへのインタビュー
② 東京都観光財団の補助金等を活用した備品の共同購入
③ 最寄駅からのバリアフリールートマップの作成
④ 共用部・客室を計測し、必要な数値や画像を示した館内案内のホームページ掲載
といった取り組みを進め、誰もが安心して泊まれる環境づくりを行ってきました。

アパートメントホテル「MIMARU」

現場の声から広がった医療的ケア児への対応

アクセシブルルーム

医療的ケア児とその家族を対象とした試泊イベントと意見交換会

コミュニケーションシートの一例

コミュニケーションシートの一例

その後、親会社であるコスモスイニシアがESG経営の一環として実施したグループ内コンペ「私たちがやりたいこと/会社に取り組んでほしいこと」において、「みんなが安心して泊まれるホテル」の“みんな”を拡張し、医療的ケア児の受入強化を目指すプロジェクトが提案されました。

アクセシブル・ツーリズムの取り組みが進む中で、「車いす利用のゲストは時々いらっしゃるが、医療的ケア児の宿泊はほとんど見かけない」実態がありました。バリアフリー対応は進んでいるものの、まだ十分とは言えず、「来ない」のではなく「来られない」のではないかという疑問をもったメンバーが上記の提案を行ったのです。
こうした課題解決のヒントとなったのが、一般社団法人Try Angleが発行する『医療的ケア児の旅行ガイドライン』でした。

ガイドラインを読んでみると、「家族が一緒に宿泊できる十分な客室サイズ」「全室キッチン・ダイニング付き」「家庭用サイズの浴室」といったMIMARUの特長は、医療的ケア児とその家族にとって適した環境であることが分かり、取り組みを強化すれば、医療的ケア児の家族にも使ってもらえるのではないかと思ったからです。

ガイドラインとの出会い、コンペへの提案、そしてTry Angleの協力により、医療的ケア児の受け入れ環境整備は大きく前進しました。当事者家族による試泊やインタビューを通じて、コミュニケーションシートの作成や、必要な備品の拡充につなげることができました。コミュニケーションシートは、事前にホテルで用意可能な貸出備品などの情報をお伝えし、追加のご要望やその他リクエストをお伺いするものです。ご家族の方からは事前に用意するものが整理できて有難い、受け入れている気持ちを感じて嬉しいといった声を頂きました。

また、全社員がユニバーサルマナーの接遇資格を取得するなど、ソフト面の整備も進めています。その結果、医療的ケア児の家族利用が増加し、支援学校の修学旅行の受け入れや、オーストラリアのアクセシブルツアー会社からの団体利用など、顧客層の広がりが見られるようになりました。

アクセシブルルーム

医療的ケア児とその家族を対象とした試泊イベントと意見交換会

コミュニケーションシートの一例

コミュニケーションシートの一例

地球の歩き方と連携したバリアフリーガイドの制作

「旅行に行ってみたい」「これなら旅行に行けるかもしれない」——そんな気持ちを後押しし、車いすやベビーカーでの旅行に対する心理的ハードルを下げたいという思いがありました。都市部では交通機関のバリアフリー化や各自治体による情報発信が進んでいる一方で、国内を横断して旅行する際の情報は分散しており、分かりにくいという課題もあります。

そこで株式会社地球の歩き方とコラボレーションし、バリアフリーガイドブックを制作しました。 バリアフリーの視点で厳選した日本の楽しみ方や、交通機関のバリアフリー対応状況や街中の移動に役立つ情報をまとめたフリーペーパー『地球の歩き方 みんなで楽しむ東京・京都・大阪』を、日本語版と英語・繁体字版の2種類で制作。2025年4月21日より全施設で無料配布を開始し、公式サイトではデジタル版も公開しています。訪日旅行者に人気の高い東京・京都・大阪を対象に、車いすやベビーカーで利用しやすい観光スポットや、街中でのアクセシブルな移動情報、役立つ情報源などを紹介しています 。

今後の展望

旅行は宿泊だけで完結するものではなく、交通、観光、飲食などが組み合わさって初めて実現するものです。今後も、宿泊以外の分野の事業者にとっても参考となる情報発信を行い、「行ってみたい」「行ってみよう」という気持ちを後押しするアクセシブル・ツーリズムの取り組みを継続していきます。また、障害のある方や医療的ケア児に限らず、「みんなで旅をする」、その“みんな”の領域を、これからもさらに広げていきます。

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